角海老トップニュース

2017年7月11日

坂本が暫定王者に、土屋が引退表明

 6月30日に行われた「角海老ボクシング」は実にドラマチックな興行となった。メインイベントで日本ウェルター級暫定王座決定戦に挑んだ同級1位の坂本大輔はデビュー10年、35歳でのタイトル初挑戦のチャンスを見事モノにしてベルトを手中に。セミでは角海老のエース、前日本Sライト級王者でIBF7位、WBO9位の岡田博喜が登場し、大差判定で勝利。そして前日本ライト級王者の土屋修平は王座陥落後、再起戦を迎えて判定勝利を挙げたが、試合後に「最高のパフォーマンスを提供できなくなった」ことを理由に、7年に及ぶ現役生活からの引退をリング上で表明した。

 試合前から「絶好調」を自負していた坂本はこの日、2位の川崎真琴(RK蒲田)との暫定戦に出場。持ち前の馬力とパワーを活かして積極的にプレスをかけ、カウンターを狙う川崎に対してボディーやアッパーなど上下に攻撃を打ち分けて手数で上回る奮闘ぶり。5回終了時点でポイントリードし、その後もスタミナを切らさずに、終始攻撃的な姿勢を見せた。一方の川崎は坂本のプレッシャーの前に、カウンターを狙うことしかできず、10回フルラウンドを戦って坂本が3-0(97-94、97-93x2)の判定で勝利、暫定王座に就いた。坂本は「10年目で獲れて本当に良かった」と勝利を喜び、次戦は4月に対戦予定だった正規王者・有川稔男(川島)の怪我からの復帰を待って統一戦に挑む運びだ。

 日本王者から世界ランカーへと着々とキャリアを進めている岡田は、OPBF東洋太平洋7位ジェリッツ・チャベス(フィリピン)と対戦。タフで小柄なチャベスはパワー主体のボクシングで、岡田は鋭いジャブを武器に距離を取って上下左右にストレート、フック、アッパーと多彩なコンビネーションでチャベスを突き放す。圧倒的に試合を有利に進めた岡田だったが、KOはできず。それでも相変わらず質の高いパフォーマンスで判定は1人がフルマークを付けて3-0の大差リードで勝利した。

 土屋は昨年12月、野口将志(船橋ドラゴン)との日本ライト級王座決定戦に勝利して26戦目で念願の日本チャンピオンのベルトを手に入れたが、今年3月の初防衛戦で西谷和宏(VADY)にまさかの8回TKO負けで王座陥落してしまう。デビューから12連続KO、全日本新人王MVPという華々しいキャリア前半の歩みを考えれば、その後タイトルを獲るまでにデビューから7年もの歳月を要したのは長かった。その実力を持ってすれば長期政権を築くと誰もが思った矢先、ようやく手に入れたかと思ったベルトと栄光を一瞬にして失うことの悲痛さは、察するに余りある。

 それでも腐らず、再起の道を選んだ土屋の一戦とその結末は、この日の興行のハイライトだったと言ってもいい。ノーランカーの水藤翔太(とよはし)を相手に、土屋は1回に得意の左フックを命中させて水藤を揺らしたが、その後は接近戦を狙う水藤と激しい打撃戦に突入。土屋は自分の距離で戦うことができず、苦しめられながらも要所で有効打をヒットさせるが相手はノーランカー、KO勝利が求められてもおかしくない。結局試合は接戦のまま、土屋は最終10回までに試合を決めることはできず、3-0(77-76、77-75、78-74)判定で辛勝した。

 試合後に土屋はリング上で引退を表明、岡田とのスパーリングで軽いパンチで効かされた時から引退を考えるようになったことを明かし、「自分のファイトスタイルはお客さんを喜ばせること。最高のものを提供できないなら引退した方がいいと思った」と、その理由を話した。殴ること、また時に殴られることもエンターテインメントとして昇華し、むしろキャリアの後半は勝敗よりも派手な試合にこだわり続ける「激闘王」と呼ぶにふさわしいボクシング人生を歩んできた土屋。角海老ファンにとっては記憶に残る選手の1人だったことは間違いない。通算戦績は23勝18KO5敗。


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