長い付き合いのある選手の話となれば、さすがの木内氏だって感情的になる。選手を思いやる気持ちがその言葉の節々からかいま見える。
「榎なんかは我が強いから俺じゃないと扱えないと思う。ホント言うこと聞かないからね。いつも文句言い合いながら練習してるけど、実はああ見えてあいつは繊細な所もあるんですよ。まだ無敗だから、いつも『もし負けたら……』っていう恐怖心と戦ってる。だから可哀想に思うところもありますよ」
折しも来年1月には榎選手がタイの同級東洋太平洋7位デンクタシン・ソーンキラノイナイ選手と東洋太平洋タイトル戦、2月には木嶋選手 が日本バンタム級王者のサーシャ・バクティン選手と日本タイトル戦を 行うことが決まった。
木内氏は「榎はここまで来たら最終的には世界をやらせてやりたい。俺も世界チャンピオンを作ってみたいって気持ちもあるし。木嶋はもう15年近い付き合いだし、サーシャは強いけど獲る気でやりますよ。そろそろサーシャには一泡吹かせてやんねえと」と歯切れ良く話してくれた。
下町育ちの不器用な親父、そんな表現がぴったりくる木内氏。本人は否定するかもしれないが、トレーナー業を「仕事だから」とぶっきらぼうに言い切るのも、実は照れ隠しのような気がしてきた。
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