2023-05-31
20日、東京・墨田区総合体育館で「井上尚弥4団体統一記念バンタム級モンスタートーナメント」が開幕し、1回戦(準々決勝)3試合が行われた。その結果、穴口一輝(真正)、梅津奨利(三谷大和S)、増田陸(帝拳)の3選手が勝ち進んだ。次回、8月30日後楽園ホールで予定される準決勝のカードは、穴口-梅津、堤聖也(角海老宝石)-増田戦。堤-増田戦は、堤の保持する日本王座がかけられるタイトルマッチのため10回戦となる。Photos/Masakazu Yoshiba
富施をキャンバスに落とす増田(1R)
◇バンタム級モンスタートーナメント予選8回戦
増田陸(帝拳)[TKO7回3分00秒]富施郁哉(ワタナベ)
デビュー2連続初回KO勝ちながらキャリアの面で未知数だった増田が日本2位の富施から2度のダウンを奪い、1回戦唯一のKO(TKO)決着でトーナメントを勝ち上がった。同じサウスポーの富施に対し、左クロスで初回いきなりのダウンをマーク。増田のKOパターンかと思われたが富施もここでは終わらず、その後はフットワークを使って立て直しを試みた。
「どこかでまとめないと(富施は)倒れないと思った」と増田。この間増田が優位を保ったのは、威力ある左強打のみならず、右の硬質なジャブをヒットし続けたから。局面の打開を図る富施の動きを制限しつつ、増田がダメージを与えていった。
増田も富施のパンチで左目下を腫らせた。しかし迎えた7回、またも左がゴンと当たると富施がヒザをつき2度目のダウン。再開後はクリンチでしのごうとしたが、終了間際に増田の左ストレートでのけぞり、右の追撃が入ったところで中村主審がストップをかけた。
増田は次戦、プロ4戦目で堤の王座に挑むことに。「8月30日まで一日一日無駄にせず、練習をしたい」と早くも“その日”を見据えていた。2学年上の堤とは大学時代に一度リーグ戦で対戦し、5-0の判定負けを喫している。堤-増田戦は話題を集めそうだ。敗れた富施は12勝2KO3敗となった。
内構を際どく制した穴口㊨
◇バンタム級モンスタートーナメント予選8回戦
穴口一輝(真正)[判定3-0(77-75、78-74×2)]内構拳斗(横浜光)
サウスポーの穴口は外を取って繰り出す的確な左ストレートで先制。3回から内構がプレスを強化すると穴口が打ち返して応え、逆に内構の攻撃にリズムを与えることとなったが、苦しみつつも左ボディなどを差して対抗。終盤穴口は再び左右へとステップを切りつつ、流れにアレンジを加え、接戦を制した。内構はまとめ打ちもブロック&リターンも激しいテンポで穴口を押したが、届かなかった。
日本11位の穴口は5勝2KO。内構は2勝1KO1敗。
石川を判定で下した梅津㊧
◇バンタム級モンスタートーナメント予選8回戦
梅津奨利(三谷大和S)[判定3-0(80-72×2、78-74]石川春樹(RK蒲田)
好戦的なタイプ同士の一戦は、梅津に軍配があがった。梅津は攻撃力のある選手だが、押してばかりではなく、時に引いてから攻めるなどスタイルの幅が広いところを示した。タフでスタミナも備えた石川は終始激しく応戦したが、なかなか梅津を崩すことはできず、逆に攻撃に転じられた。
日本12位の梅津は10勝7KO1分。石川は9勝7KO5敗となった。
◇L・フライ級8回戦
川満俊輝(三迫)[判定3-0(80-72×2、79-73]メルビン・マナンキル(比)
川満はボディ、顔面への左フックの打ち分けで好スタートを切ったが、マナンキルも打ち返しの右フックなどで抵抗。終始前へ出続けたのは川満ながら、マナンキルが慣れて誘うように下がる場面もあり、圧力のかかり具合はもうひとつだった。スコアは大差。
日本L・フライ級5位の川満は8勝4KO1敗。マナンキルは7勝1KO9敗4分。