2023-08-30
30日後楽園ホールのセミでは日本バンタム級タイトルマッチが行われる。チャンピオン堤聖也(角海老宝石)が2位挑戦者の増田陸(帝拳)を迎える注目カードだ。29日の計量はともに53.4キロでパスした。この試合は開催中の「井上尚弥バンタム級4団体統一記念杯 バンタム級モンスター・トーナメント」の一環で、トーナメントの準決勝を兼ねている。
ベルトを肩に王者堤㊧、4戦目奪取のかかる挑戦者増田
堤(8勝7KO2分)は3月のV2戦で1位南出仁(セレス)に圧勝。モンスター・トーナメントはシードのため今回から参戦となる。あすの試合について「(増田は)すばらしい左を持っているし、(アマチュアで対戦して)強さは分かっています。警戒しながら、もらわないように当てていくことになる」とシリアスな表情で語った。
増田とは大学時代に対戦して、2学年上の堤が5-0で勝利。この2月にも一度スパーリングをしているが、その後5月の増田の試合(富施郁哉にTKO勝ち)を観て「前の手(右手)の使い方がよくなっている」と増田の成長を認めている。堤に油断は一切なく「一発(の強打)で崩されることもあるので、その警戒もしています」。
実際、米国合宿から帰国後に増田戦の対策に取り掛かった堤は、効かされた場面を想定した練習も行っていた。危機管理の高さがチャンピオンの強さの秘密でもあるのだ。「どうきても、僕のボクシングのパターンになるよう準備しています」と堤は断言した。
タイトル初挑戦のサウスポー増田(3勝3KO)はプロ入り4戦目で大舞台に臨む。前戦(トーナメント1回戦)で富施に勝利して一躍日本ランク入り、そしてタイトルマッチ挑戦のチャンスを手にした。勝てば日本王座の最短奪取記録に並ぶことになるが、「自分のいいボクシングをして勝つこと」が一番の目標だと増田は言う。
5月の試合から3ヵ月のスパンで臨む大舞台にも、「十分にいい練習ができました」と語り、気負いはほとんどなさそう。いま急成長している自身を実感しているのかもしれない。「過去一、順調にきました」と挑戦者は明るい表情を見せた。
こちらも注目のモンスタートーナメント準決勝、梅津㊧と穴口が激突
なお明日はトーナメント準決勝のもう一試合も行われる。梅津奨利(三谷大和S)-穴口一輝(真正)の一戦。勝者は12月のトーナメント決勝戦で堤か増田が持つ日本タイトルに挑むことになるから、このカードは次期挑戦者決定戦でもあるわけだ。
梅津(10勝7KO1分)、サウスポーの穴口(5勝2KO)ともに53.4キロで計量をクリアした。