2024-04-08
日本フライ級タイトルマッチが6日、後楽園ホール「WHO’S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT」のメインで行われ、王者の飯村樹輝弥(角海老宝石)が挑戦者1位の井上夕雅(真正)に9回1分28秒TKO勝ち。2度目の防衛に成功した。
デビュー5戦目で日本タイトルを獲得した飯村に、19戦のキャリアを持つ井上が日本タイトル初挑戦。飯村がジャブ、ワンツー、打ち終わりに左フックを決めて先制。ラウンド終盤に井上も右ストレート、左フックを決め返し、試合は初回から白熱した。
2回、飯村が右ストレート、返しの左フックを決めて、井上がヒザをつくダウン。残り2分以上あったが、立ち上がった井上は果敢に飯村と打ち合った。ひと息つくと飯村は攻め急がず、左ボディを効果的に使って井上にダメージを与えていった。
飯村は左右だけでなく、前後にもよく動き、攻めるところは攻め、引くところは引く。パンチの正確性でも上回るが、パワフルな井上はダウンのダメージから立ち直ると、グイグイと前に出て、下から飯村を崩しにかかった。試合は白熱。5回終了時の採点は、48-46、49-45×2で飯村がリードした。
6回、飯村が右を決めるが、井上の右、左フックも決まり、挑戦者が追い上げてきた印象。しかし7回は飯村がしっかり動き、右ストレート、左フックを決めて取り返したように見えた。
8回は井上だ。左アッパー、右ストレートを飯村に炊き込んで逆転のムードを作る。しかし飯村も足を止めず、ニヤリと笑って応戦してみせた。9回も井上が押せ押せになりかけたが、飯村の左ボディが炸裂すると、井上はフリーズだ。飯村が右ストレートを打ち下ろし、井上がバッタリとダウン。即ストップという劇的な幕切れとなった。
飯村は6勝2KO1敗。追い上げた井上も最後はいっぱいいっぱいだった。15勝3KO4敗1分。22年9月、WBO-APフライ級王座決定戦で加納陸(大成)に判定負けして以来のタイトルマッチだった。
飯村は「井上選手は気持ちが強くて、プロでのキャリアも自分よりある。決まった瞬間からじっくり準備してきた。井上選手との戦いをへてまた強くなれたと思う。今日も妻がバンデージを巻いてくれて、夫婦でやれている環境に感謝したい。子どもが生まれるということも強いモチベーションになった。日本人のユーリ選手がWBAのベルトを持っていて、同階級に世界のベルトがあると思うとモチベーションになる。自分はまだまだかもしれないけど、日本のベルトを持っている以上、飯村なら狙えるな、と思ってもらえるように精進したい」と話した。