ニュース

渡部あきのり暫定王座獲得で2階級制覇 白血病で闘病中の娘に贈るパパの泥臭い姿…

pict
2018-08-25
日本スーパーウエルター級1位・渡部あきのり(33)=角海老宝石=が暫定王座を獲得した。同級2位・丸木凌介(27)=天熊丸木=に1回2分51秒TKO勝ち。白血病で闘病中のまな娘・紗月ちゃん(3)に、ウエルター級に続く日本タイトル2階級制覇を贈った。渡部の戦績は37勝(31KO)7敗、丸木は15勝(10KO)6敗1分け。

 強いパパの姿を届けた。渡部は序盤から果敢に攻め込み、丸木をしゃがみ込ませてダウンを先取。再開後もガードの上から強打を浴びせ、アッパーで顔を跳ね上げた。間髪入れずにラッシュで2度目のダウン。2分51秒の圧勝だ。「プロで44戦しても緊張する。恐怖に陥るし、足も震える。それでもキャリアが支えてくれた」。浜田剛史、比嘉大吾に並ぶ15戦連続KO勝利の日本記録保持者のパワーは健在だ。

 2016年に角海老宝石ジムに移籍してから初のタイトル挑戦。「本当に最高の環境でボクシングができるジム。言葉で言ってもしょうがないので、結果を出しているところを見せたかった」とジムへの恩返しとなる白星でもあった。

 今年4月、体調不良を訴えた紗月ちゃんを病院に連れて行った。診断結果は白血病。抗がん剤治療を受ける幼い命。一時はボクシングを辞め、安定した普通の仕事に就くことも考えた。

 「昔は(選手が身内の)病気のことを言うと『売りにしてんじゃねぇよ』とか思って嫌だったけど、そういうことじゃない。娘のためなら物乞いでもなんでもやる。俺がやれることは何か。ボクシングしかない」

 どんなに泥臭くてもいい。第3治療まで終え、懸命に病と闘い続ける娘から力をもらい、父親としてリングで戦った。

 新藤寛之(宮田)の負傷により生まれた暫定王座決定戦。次は正規王者との王座統一戦となる。10年前には3連敗を経験。「世界王者になるとは恥ずかしくて言えない時もあった。いい時も、悪い時も立ち上がる姿を見せることが僕の仕事。(映画で)ロッキーも言ってたけど、ボクシングは『倒れないこと』じゃなくて『倒れてもいいから起きあがること』。泥臭くても夢に向かって進んでいく姿を見せていきたい。なので、世界チャンピオン、目指します!」。今、堂々と夢を語れるのは、ともに戦うまな娘の存在があるからだ。

提供:スポーツ報知
https://www.hochi.co.jp/sports/boxing/20180824-OHT1T50208.html
©2018 Kadoebi inc. All Rights Reserved.