2020-10-17
10月26日、後楽園ホールで行われるバンタム級10回戦で、帰ってきた元KOキング比嘉大吾の復帰2戦目の相手として名乗りを上げたのがプロ6戦の堤聖也(角海老宝石=写真)だ。高校時代、比嘉に2勝しているとはいえ、プロでは立場が逆転。堤本人が不利を認めるカードだが、「比嘉戦は僕にとって通過点」となんとも強気の弁。そのビッグマウスには根拠がある――!? =ボクシング・ビート11月号より=
比嘉の相手に決まった堤は5勝4KO1分、日本ランキング13位。常識的には、世界の元KOキング比嘉と実績が格段に違う。
「8-2で比嘉じゃないですか」
これは他ならぬ堤と石原雄太トレーナーのコメントである。ワンサイド試合にもなりかねない、と言っているに等しい数字だ。
ただし、両者の浅からぬ因縁が試合に微妙な影響を及ぼさないとも限らない。堤にとって追い風になる過去の話から入ろう。同じ1995年生まれの比嘉とは、九州学院高時代に2度九州大会で試合をして堤が勝っている。
「だからといって心理的な優位性なんて感じませんよ。高校の時の試合はただ殴り合って、小手先の技術で僕が上回った程度。ホントに気にしていないし、気にしたらダメ」と堤。試合の短い映像が堤のツイッターでアップされているが、なるほど、ともに開始ゴングでスタートダッシュの打ち合いを展開していた。
堤が自戒の念を強めるのは分かるにしても、一方の比嘉のほうはどうか。プロに入っていまや逆転しているが、まったく気にしないかもしれないし、2度負けた相手を知らず意識してしまうかもしれない。「大吾がどう感じているのかは分からない」と堤も言う。
熊本出身の堤は中学2年の時、市内の本田フィットネスジムでボクシングを始めた。同ジムの選手はほとんど全員がサウスポーに仕込まれることで知られているが、堤はなぜか数少ない例外だったという。しかしジムのスパーリングでボコボコにされ、先輩から「右だから弱いんだよ、サウスポーに替えろ」と言われる。
コンバートは容易ではなく、スパーリング中どうしても慣れた右に戻る。これがいまのスイッチ戦法の始まりになった。高校では練習量を倍にしてオーソドックスとサウスポー両方に取り組んだ。努力で体にしみ込ませたスタイルだ。平成国際大学までアマチュアを続け、84勝40KO・RSC17敗。国体準優勝が最高実績だった。
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提供:ボクシングニュースhttps://boxingnews.jp/news/78120/