2020-12-15
日本スーパーライト級3位の岡田博喜(角海老宝石=31)は14日、東京・後楽園ホールで日本ライト級5位の富岡樹(REBOOT.IBA=23)と8回戦を行い、3ー0の判定勝ちを収めた。
アメリカで世界進出を図ったものの連続KO負けの岡田と、2度目のタイトル挑戦に失敗した富岡。ともに再起をかけた一戦は、8歳若い富岡のペースで始まった。長いリーチから速い左を連射しては、サッと安全圏に回り込む。追いかけるとかわされ、見ていると遠くから大きなパンチが飛んでくる。対戦者の誰もが「やりにくい」と口をそろえるスタイルで、まずは富岡が幻惑にかかった。3回にはレバーへの左フックで「勝負を投げようかと思った」と岡田が振り返るほど効かせた。
「以前に1度だけ(富岡と)スパーリングして、パンチなかったから舐めていた」という岡田。だが、元世界上位ランカーは出入りのパターンに工夫を凝らし、中盤から右の命中率を上げていく。ひとたび突破口を見出すと、キャリアに裏付けられた地力を発揮。機を見て繰り出す集中打で印象点も巧みに稼ぎ、ジャッジ3者が77対75とする判定を得た。
「こんなに腫れたのは初めて」。赤く膨れ上がった右目下に苦労の跡を残した岡田は「前半からストレート系で腹を打っていれば、もっと展開は楽になっていたはず。左ボディも。試合終わったばかりなのに、課題が多すぎて……」と内容には納得しなかったが、2年ぶりの勝利で「次につながった」と、安堵をしのばせた。目指すは再びアメリカのリング。「ボクシングをやっている以上、そこに向かっていくしかない」。自分を奮い立たせるように、そう言った。
鈴木は強烈KOで5連勝
スーパーライト級6回戦は、日本ライト級3位の鈴木雅弘(角海老宝石=25)が、小田貴博(グリーンツダ=32)に3回1分4秒TKO勝ちした。
ジム移籍第1戦となる鈴木は、3年4ヵ月ぶりのリングに立った小田をスタートから圧倒。11センチの身長差をものともせず正確な左を突き、強烈な右につなげる。2回に左フックで最初のダウンを奪うと、続く3回には斬り込むような右ストレートで再び倒し、ノーカウントでストップ。戦慄的なTKO劇で、デビューからの連勝を5(3KO)に伸ばした。
提供:BBM-Sports/ボクシング・マガジン