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福永亮次が3冠獲得! 粘る中川健太を10回にストップ

  
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2020-12-15
14日、東京・後楽園ホールで行われたスーパーフライ級3冠戦、WBOアジアパシフィック王者・福永亮次(34歳=角海老宝石)対日本王者・中川健太(35歳=三迫)の王座統一&東洋太平洋王座決定戦12回戦は、序盤からリードした福永が4回にダウンを奪い、その後、尋常ならざる粘りを見せた中川を振り切って10回2分24秒、レフェリーストップに持ち込んだ。

“当てる”右と“当てない”右

 前日計量後のリモート会見で語っていたとおり、福永の右が試合を作り、ポイントを握った。
 サウスポー同士の一戦。“リトル・パッキャオ”のニックネームどおり、福永は立ち上がりから右を上下に動かしながらマニー・パッキャオ(フィリピン)に似たリズムに乗って攻め入っていく。早々にプレスを受けた中川は、左ボディフックで何度か飛び込むが、ふたたび“受け身”の姿勢を取らされて、左カウンター狙いにシフトせざるをえなかった。

 リング中央のせめぎ合いでもペースをつかんだのは福永だ。“当てない右”をぽんぽんと中川の左顔前へとリズミカルに突いて、中川のパーリングを誘う。中川のそれは、ときに大きくなる。その癖を誘発させておいて右側を開けさせて左クロスを狙う。3回にこれをクリーンヒットさせて、はっきりと中川をバタつかせた。

“当てない右”だけでなく“当てる右”も冴えわたった。これを上下に散らして中川の意識を散開させて、前に出させない。無意識に踏み込みの甘くなる中川の左に、右フックを合わせてダウンを奪ったのは4回だ。それまでに、左を打たせてスウェーバックでかわしざま、何度もタイミングを計っていたものだ。
 ダメージ濃厚の中川を、福永は連打で追い込むが詰めを欠く。すると5回、開き直った中川がようやく猛然と襲いかかる。左クロス、右フックと、自ら打ち込んでいき、福永の動きを鎮めた。


劣勢からの猛反撃も、福永の右が遮った

 しかし、その後も福永は右を起点にして、左ストレート、右フックを決めていき、中川にダメージを蓄積させていく。が、詰めの部分で中川は必ず気力を振り絞って反撃。「ダメージではなく、スタミナの問題」と福永は言うが、傍目には中川の攻撃が効果を上げているように見えた。

8回、福永はふたたび中川をダウン寸前に追い込む。左の相打ちでよろめかせ、9回にも右ジャブをゴツゴツと当ててのけ反らせる。だが、その都度、中川は反撃姿勢を示すため、レフェリーは止めるタイミングを失った。

 10回、先に仕掛けたのは中川だった。福永にロープを背負わせて左。しかし、これに福永が左をリターンすると、中川がヒザをガクガクと揺らせて後退。レフェリーは、今度こそ迷うことなく試合を止めた。

噛み合わせる術

 3本のベルトを握った福永だが、「中川選手に勝ったことが嬉しい」としみじみ。チーフの田部井要トレーナーは、「前の手をうまく使って、行くけど行き過ぎない距離を取れたのが勝因。あとは、奥村(健太)トレーナーのおかげ」と、現役時代、自身がサウスポーで、“サウスポー対策”を授けただろう奥村トレーナーの名を挙げた。

「サウスポーは苦手と言っていたけれど、今日はたまたま噛み合っただけ」と福永は謙遜したが、“噛み合わせる術”を駆使して見事にハメた。WBOアジアパシフィック王座の初防衛も飾った福永の戦績は17戦13勝(13KO)4敗。

 敗れた中川は、追い込まれるたびに見せた気迫も信じられなかったが、左を打ち込むタイミング、角度を変え、右フックをフォローしてからの連打で中盤以降、対抗した。“王者の誇り”は観衆の目にくっきりと焼きつけた。24戦19勝(12KO)4敗1分。

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