2021-12-06
5日、エディオンアリーナ大阪第2競技場で行われたS・フライ級8回戦で、元日本大学主将でプロ3戦目の飯村樹輝弥(角海老宝石)が元日本同級王者の奥本貴之(グリーンツダ)に2-0判定勝ち。殊勲をあげて日本ランク入りを決定づけた。
※飯村(左)はこの勝利で日本ランク入りを確実にした
飯村がサウスポーの元チャンピオンに対して序盤から強気にパンチをまとめた。回転軸を利用して右ストレート、左フック、右、左ボディと集中打を見舞い、奥本は早々に左目下が腫れ出す。
飯村の快勝ペースだったが、劣勢のベテランも開き直って反撃。気合満々で左ボディ、左ストレートを打って出、これに飯村も引かずに打ちかえして終盤は好打応酬の激しい展開だった。発表されたスコアは76-76、77-75が2者。
飯村は「チャンスを逃したくなかったので当たればいつでも行くつもりでした」と序盤にポイントをピックアップした連打について語った。敗れた奥本は23勝11KO10敗4分となり、新鋭飯村について「うまくて強かった」と話した。
本石昌也会長は「強いのは知っていたが、終盤あそこまで粘りがあるとは。序盤にもらいすぎましたね。元チャンピオンとして、若手に負けたわけですから。これからのことはしっかりと話し合いたい」と言っていた。
※久高(左)はキャリアの差をいかして川浦に競り勝った
セミの日本S・フライ級挑戦者決定戦は、元チャンピオンで同級1位久高寛之(仲里)が同2位川浦龍生(川島)に2-1判定勝ち。チャンピオン福永亮次(角海老宝石)へのカーニバル挑戦権を手にした。
プロ50戦目の久高に対し、川浦は10戦目。しかし序盤はサウスポー川浦のシャープなボクシングが冴え、久高を圧倒。右ジャブをさしつつ、久高が来たところに左のストレートやボディ、アッパーで迎撃した。2回、バッティングが発生し、川浦は右目上(眉間付近)をカットする。
それでも久高はポーカーフェイス。バッティングも多発したが、ベテランは上下への攻めを強め、川浦を揺さぶっていく。5回、久高のワンツーで川浦はダメージ。以降は川浦にとって試練のラウンドとなり、若さと弱気を感じさせる場面もあった。後半は久高が主導権を握ったまま試合終了のゴング。スコアは77-75が2者で久高、残りは77-75で川浦だった。
またまた再浮上のチャンスを得た久高は「ガードの上からでもパンチがあったので、距離をつぶしていきました。今日勝てたのはキャリアの差です」と語り、日本タイトル奪還を見据えていた。一方の川浦はプロ初黒星。この試合で得た貴重な経験を次に生かしてほしい。
提供:ボクシングニュース
https://boxingnews.jp/news/87279/