「いちばんは、その選手が持っているものを生かして、その選手の武器を伸ばしていくこと。押しつけじゃなくて、お互いが納得してやらないと楽しくないし、選手も伸びないですよね。ベースになるのはコミュニケーションです」
地元の福岡で、のちのWBC女子世界ミニフライ級王者・黒木優子(YuKOフィットネス)のトレーナーとなったのが指導者としての本格的なスタートだった。
長年の念願が叶ったのは2019年の春。SNSを通じてアメリカ・ロサンゼルスのロブレス・トレーナーとコンタクトを取り、1ヵ月あまり、現地でトレーナー修行を積んだ。千載一遇の機会と、先のことは何も考えず、帝拳ジムの理解を得て、トレーナーの職を辞し、飛び込んだレジェンズジム。朝から1日中、忙しく動き回る日々だった。