プロではミニマムからフライ級を主戦場にし、7勝3敗の成績を収め期待されていたが、A級昇格前に2度目の網膜剝離を患い引退を余儀なくされた。やり切れない思いのなか、療養中に当時のチーフトレーナーだった田中栄民氏の誘いを受け、トレーナーとして好きなボクシングに携わることを決意した。
佐藤が指導する上でもっとも重要視するのが思考力。漠然と練習に向かうのではなく、この練習は何のためにしているのか、どんな取り組み方が最適なのかをトレーナーだけではなく、選手も常に意識し考えることが大切だと説く。当然、同じ方向を目指していても、選手とトレーナーのズレは生じてくるものだが、佐藤は「そこを補うためのコミュニケーションも重要。選手がいかにリアリティを持ってイメージできるか、伝え方は難しいが大事なことなんです。僕より上手いトレーナーはいくらでもいるし、アンテナを常に張って、良いところを取り入れていかないと。トレーナーだって選手と一緒に成長していくものなんですよ」と真剣な眼差しを向ける。
「選手の目標は新人王になりたいとか、日本王座を獲りたいとかそれぞれでしょ。俺が見ている間に、一人でも多くの選手がボクシングをやっていて良かったと思える瞬間を味わせてやりたい。俺の目標? それはやっぱり、いつかは世界チャンピオンを作ることだね」。