角海老宝石ボクシングジム

トレーナープロフィール

佐藤 直樹

Naoki Sato
世界チャンピオンを作ること
  
ボクシングをやっていて良かったと思える瞬間を味わせてやりたい
生年月日
1976-07-23
出身地
山口県
ボクシング歴
7年
トレーナー歴
2000年〜
担当した代表的な選手
加藤善孝、高山樹延、岡田博喜、土屋修平、今野裕介、渡部あきのり
好きなボクサー
内山高志
指導方針
普段からアンテナを張って考え、選手とともに成長する!
目 標
世界チャンピオンを作ること。また、選手にボクシングをやっていて良かったと思える瞬間を一度でもいいから味わせてやりたい。
2000年からトレーナーとしての道を歩み、これまで加藤善孝、高山樹延、岡田博喜、土屋修平と4人のチャンピオンを育ててきた佐藤トレーナー。 ブルースリーに憧れ、小学校3年から中学まで少林寺拳法を学んでいた佐藤は、格闘技にハマり、高校一年からボクシングをスタートさせた。アマチュアでは中国地方大会で優勝し、インターハイには2度の出場経験がある。 その後、高校3年の2学期にプロ転向を志し、寮のある角海老宝石ジムを見学。その当時のランキングボクサーだった江口勝昭氏とスパーをさせてもらい、「すぐに上京して来い」と言われたことが入門の決め手となった。
プロではミニマムからフライ級を主戦場にし、7勝3敗の成績を収め期待されていたが、A級昇格前に2度目の網膜剝離を患い引退を余儀なくされた。やり切れない思いのなか、療養中に当時のチーフトレーナーだった田中栄民氏の誘いを受け、トレーナーとして好きなボクシングに携わることを決意した。

試行錯誤ではじめた指導者の道は「5年、10年と経てばボクシングの技術、戦術、戦略が変わってくる。当然教える選手一人ひとりも違うわけだから、その選手、時代に合った指導をしないといけない。めちゃくちゃ難しいですよ」と、20年経った今でも難しさは同じ、だからこそやりがいを感じていると話した。

指導するにあたり、軸に置くのはあくまでもディフェンス、フットワーク、ジャブ、ワンツーといったボクシングの基本。特に「ジャブが好きだから、そこはこだわりを持って教えています。ジャブなら佐藤さんに教わるのが一番だと言ってもらえるような存在になりたかった」と話す。

また、佐藤にはひとつのポリシーがある。それは、勝利は9割が選手、1割がトレーナーの力、負けたときはその逆だということ。「負けたときはこの世の終わりのような感じですよ。だから勝ったときはホッとするだけで、リングの上で選手と一緒にはしゃごうなんて気にはなれない」。「この20年を思い返しても、加藤がOPBFタイトルを失ったとき、岡田がアメリカでレイムンド・ベルトランに負けたときと、勝利した想い出よりも敗北した想い出の方が強く残っています」。

だが、トレーナーは選手と一緒に落ち込んでばかりはいられない。モチベーションが下がった選手の心に火をつけ、反省を課題に変え、次に生かすのがトレーナーの仕事だ。
佐藤が指導する上でもっとも重要視するのが思考力。漠然と練習に向かうのではなく、この練習は何のためにしているのか、どんな取り組み方が最適なのかをトレーナーだけではなく、選手も常に意識し考えることが大切だと説く。当然、同じ方向を目指していても、選手とトレーナーのズレは生じてくるものだが、佐藤は「そこを補うためのコミュニケーションも重要。選手がいかにリアリティを持ってイメージできるか、伝え方は難しいが大事なことなんです。僕より上手いトレーナーはいくらでもいるし、アンテナを常に張って、良いところを取り入れていかないと。トレーナーだって選手と一緒に成長していくものなんですよ」と真剣な眼差しを向ける。
「選手の目標は新人王になりたいとか、日本王座を獲りたいとかそれぞれでしょ。俺が見ている間に、一人でも多くの選手がボクシングをやっていて良かったと思える瞬間を味わせてやりたい。俺の目標? それはやっぱり、いつかは世界チャンピオンを作ることだね」。

ボクシングに身を捧げ20年、佐藤トレーナーの親心が報われる日も決して遠くはないはずだ。
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